
自然は戦 (たたか)い
<チョウの赤ちゃん>
赤ちゃんは
かわいい幼虫ですが
無事に卵から孵(かえ)っても
そのほとんどには
死が約束されているのです。
この容器の中には
冬の寒気から保護した
16匹の小さな幼虫がいました。
食欲も旺盛(おうせい)で
ここまで大きく育ったのですが・・・
そのほとんどが
急に
死んだのです。
ある日とつぜん
体の中から
何十匹もの
別の虫が飛び出して
体が破れたのです。
出てきたのは
寄生バチの幼虫でした。
シロチョウの幼虫16匹のうち
15匹の体内に
寄生バチが
卵を生んでいたのです。
生まれ出る
多くのの寄生バチもまた・・・
鳥たちの
餌(えさ)になるのでしょう。
(上の画像はサンパウロでの記録です)
16匹の幼虫のうち
一匹だけが成虫になりました。
もし
寄生バチなどの被害にあわなくて
すべての幼虫が育つとしても
やっぱり
別な形の
死の約束が待っています。
一枚のバナナの葉に
何十匹もの
フクロウチョウの幼虫が
食べ物を分け合って・・・
最後には食べるものが足りなくなって
みんな死にます。
また
生きのびたとしても
栄養が足りなくて成虫になると
飛べないチョウが
生まれることがあります。
左は正常なフクロウチョウ
右は羽が異常で飛べません。
この飛べないフクロウチョウは
鳥に食べられました。
この鳥です。
虫でも金魚でも
家の庭にあるものをどんどん食べにくるので
キンギョ泥棒
というニックネームをつけてやりました。
でも
こんな可愛い声 で鳴きます。
「もっとくれー もっとくれー」
と鳴いているように聞こえるのだけれど・・・
ブラジルの人たちは
Bem_te_ví という愛称で呼んでいます。
「君をじっくり見たよ」っていう意味で
鳴き声が
そのように聞こえるからだそうです!?
チョウの世界では
100個の卵から
無事に成虫に育つのは
数個だけと
言われています。
<成虫の戦争>
誰でも
チョウたちは美しくて
楽しく
暮らしていると思っています。
でも
ほんとうは戦争の中で暮らしているのです。
羽化(うか)したときから
戦いが待っているのです。
空では
鳥やクモの巣が
草や花には
カマキリが斧(おの)を振り上げ
地に降りるとトカゲが待っています。
チョウには
安心して休める場所は
どこにも
無いのです。
武器を持たないチョウは
ただ
逃げるだけ。
天敵から
必死で逃げる。
それで
羽が欠け
破れてきます。
そして
多くのチョウたちは
天敵に食べられて一生を終えます。
チョウには
逃げるが勝ち。
自分の命を守るために
逃げる。
ちっとも恥ずかいことはない。
工夫をこらして・・・
逃げるんだよ。
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